介護者は40、50代の企業の中核を担う世代が多く、責任ある業務に従事する方も少なくありません。この世代は会社への帰属意識が他の世代よりも強いため、仕事を優先する傾向が強く「休まないことが美徳」だと感じる方が多いのも事実です。結果、仕事と介護の両立が困難となり、介護離職を選ばざるを得ない状況に追い込まれることが考えられます。企業は介護制度を整え、理解を進めるだけではなく、誰もが安心して制度を活用していくために企業風土・職場風土を改善しなければ、介護と仕事の両立は難しく、介護離職防止へ繋がりません。
会社に介護を打ち明けれない理由
- 職場の周囲に迷惑をかける
- 休むことに罪悪感ある
- 会社からの評価が下がるのでは
- 職務を奪われるのでは
- 降格させられるのでは
- リストラの対象になるのでは
- 賃金に影響
- 定時で帰れないのが当たり前の雰囲気
- 休まない人は頑張っていると評価する上司
つまり、旧態依然の企業風土・職場風土が弊害となっている。
かくれ介護離職が増えている!?
会社は社員が辞めるまで介護に悩んでいたことに気づかなかったことが多いようです。介護をしていることを会社へ伝えず、自分自身を犠牲にしてしまう悲しいケースです。2005年、厚生労働省が行った調査によると、自宅で介護をしている人の4人に1人が「介護うつ」という結果が出ています。団塊世代が後期高齢者になる2025年問題。今後、多くの中核社員が仕事と介護の両立に直面します。企業が持続的に成長するためには、企業風土・職場風土の整備が急務なのです!
だれもが働きやすい会社で介護離職を防ぐ
2023年3月、経産省の審議会で、仕事と介護を両立中のビジネスパーソンは年々増加傾向。2030年に318万人、離職や労働生産性の低下などによる経済損失は9兆円と問題提起しました。具体的に、職場・上司の無理解や初動支援の手薄さなどをあげ、現状では従業員個人だけで解決するのは困難とも。社内制度そのものを利用しない方が多く、企業側はその数が把握できない状況から環境整備が進まない悪循環に陥っているとも指摘しています。企業が働きやすい環境を整えることは、企業の成長と社員のエンゲージメントを高め、将来の人材の確保にも繋がると言えます。今、企業は変化していく時期に来ています。
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