介護離職 体験談②【大手企業 営業本部長の選択】

介護離職 体験談

高齢化社会に伴い、介護が原因で会社を辞めてしまう介護離職が増えています。

その数は10年前と比較して約2倍。

経済産業省は年6500億円の経済損失になると試算しており

社会問題にもなっています。

今回は介護離職を体験した方のエピソードをまとめました。

介護離職の防止にお役立ていただければ幸いです。

 

<プロフィール>

・Fさん(55歳) 男性 ・大手商社の営業本部長

・勤続25年を超え、周りからも信頼が厚い

 

キャリアを選ぶか家族を選ぶか

Fさん(55歳)は長年の努力と経験を積んできた結果、営業本部長に

就くことができ順風満帆なキャリアを歩んでいました。

しかし、ある日彼の母親が突然の病で倒れ、

日常がすっかりと変わってしまうのです。

 

Fさんの母親は80歳になる高齢で、これまで大きな病気はなく

健康そのものでしたが、脳卒中を発症してしまいました。

病気は母親の身体機能を著しく制限し、自立した生活を

送ることができなくなりました。

また、Fさんの父親は既に故人でしたので、

母親の世話をできるのはFさんと妹の二人だけでした。

 

Fさんは仕事で多くの案件を抱える傍ら

妹と協力し、母親の介護を懸命に取り組みました。

しかし彼は帰宅時間も遅いことが多く、

次第に自分が働くことで、家族に十分な時間を

割くことができないと苦しむようになります。

 

そんな日々を送る中で、

Fさんは仕事で重要なプレゼンを迎えていました。

部下と共にクライアント先へ向かうタクシーの中でも

資料を熱心に見直すなど、この日の提案に集中していました。

そこに妹からの電話が鳴ります。

「お兄さん、お母さんがまた倒れて救急車で搬送されたよ。」

「私は先に病院に向かうから、お兄さんも急いで来て!」

Fさんはプレゼンを目前に控えていましたので

病院に行くかどうかを一瞬ためらいましたが、

あとは部下にまかせ、急いで病院に駆けつけました。

彼は心配と焦りでいっぱいでしたが、同時に仕事と

介護の間で板挟みになっていることに気づきました。

 

Fさんはこの出来事を転機と捉え、仕事を辞めて家族の

介護に専念することを決意しました。

Fさんは上司や同僚に退職の意向を伝えたところ、

会社側はいくつかの支援制度を紹介してくれました。

Fさんは一度考えましたが、家族への思いを優先したい

気持ちは変わらず、会社に感謝の思いを伝えながらも、

退職の決断は変えませんでした。

 

退職後、Fさんは介護に時間と労力を捧げ専念します。

時には専門家にアドバイスを求め、母親のケアに必要なスキルを

習得したり、地域の介護施設やサポートグループと連携し、

情報とサポートを上手く活用しました。

 

母親の介護は困難なものでしたが、同時に彼は家族のために

尽力することで内面的な成長を遂げました。

彼の献身的なケアが実り、母親は少しずつ回復していきました。

Fさんの妹も兄を支え、家族全体で力を合わせて

困難を乗り越えることができました。

 

Fさんは成功を収めたキャリアを捨て、家族のために

尽くすことを選びました。彼の決断は困難なものでしたが、

家族の幸福とケアが彼にとって最優先であることを

伝えてくれています。

 

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