仕事をしながら家族の介護をすることはできるのでしょうか?この2つの両立は、精神的・肉体的に負担が大きいだけでなく、無理をしたあげくに介護離職につながるリスクも潜んでいます。ここでは、終わりの見えない介護をしながら長く仕事を続けるためのポイントをご紹介します。
まずは職場の理解を得ること
介護をしていると、どうしても突然の休暇や遅刻が発生しがちです。上司や同僚がわかってくれていれば協力が得られやすくなり、仕事を他の人がカバーすることもできます。逆に伝えていなければ印象が悪くなり、両立はさらに厳しくなるでしょう。
また、勤め先に確認した上で「介護休業制度」や「介護休暇制度」、時短勤務、在宅勤務など介護のために使える制度は積極的に活用しましょう。
介護保険サービスを活用しよう
介護は自分ひとりで背負うものではありませんし、家族だけで完結させるものでもありません。介護保険サービスを上手に利用することで、介護負担が大きく軽減され、仕事との両立につながります。
介護保険サービスは介護保険が適用されるものが多く、金銭的な負担もそこまで大きくありません。介護サービスについて相談したい場合は地域包括支援センター、役所や保健所などの窓口に相談しましょう。
家族と良好な関係を築こう
介護は終わりが見えないだけでなく、要介護レベルが上がったり、認知症が進行したりと状況が刻々と変化します。特に認知症などでコミュニケーションが取りづらくなる前に、本人と介護について話し合ったり、意向を聞いておくことで、本人の考えを尊重しながら、家族も長くサポートでき、仕事との両立ができる介護プランが立てられます。
また、配偶者や子ども、兄弟にも介護や家のことのサポートをお願いし、ひとりで抱え込まないことも仕事との両立のためには大切です。
自分の体と心を労ろう
介護と仕事の両立で大変なのに、自分のことなんて後回し、と思うかもしれませんが、両立の秘訣はまずは自分を労わることです。無理をし続けると疲れやストレスが溜まり、介護や仕事、日常生活のすべてにおいて悪影響が及ぶだけでなく、自身の体や心が不健康になり、共倒れになりかねません。
周りの人に状況を共有し、話をするだけでもストレスは軽くなります。自分ひとりで抱え込まず、介護サービスや制度を活用し、負担の軽減を心がけましょう。
介護施設への入所を考えてみることも
住み慣れた自宅で最後まで家族を介護したい、という気持ちは大切ですが、介護の負担やストレスをひとりで抱え込むと、心身ともに疲弊し、仕事との両立も難しくなってきます。
こうした状況に陥らないためには、介護サービスや制度をうまく活用しつつ、やむを得ない場合には施設入所を検討することも考えなくてはなりません。
もう無理!と思った時は
家族の介護をしながら仕事を続ける、その両立は簡単なことではないと思います。仕事が思い通りに進まない、帰宅しても自分の時間がない、睡眠時間が取れないなど、ストレスも増えることでしょう。
「もう無理!」と思った時は、1人で何かを決定する前に、介護のことならケアマネージャーや介護スタッフに、仕事のことなら上司や同僚に助けを求めましょう。必ず助けてくれる人が周りにいるはずです。
介護離職を防ぐために、会社では社員とその家族の支援をする制度が整備されるようになってきました。今は介護をしていなくても、会社からの働き方関連の情報は常にキャッチしていきましょう。