要介護認定とは、高齢者や身体障害者などが日常生活を送るために必要な介護の必要度を評価し、その結果に基づいて介護サービスの利用や介護保険給付金の支給などが行われる制度です。
要介護認定は、保健医療福祉分野に特化した専門職による評価に基づいて行われます。
要介護認定のメリット
要介護認定によって、要介護者の状態に合わせた適切な介護サービスの利用が可能になります。また介護サービスが受けられたり介護保険給付金が支給されるため、家族の介護負担を軽減することができます。
要介護認定の基準
要介護認定の基準は「その人の介護にはどれくらいの手間がかかるか?」という観点から定められます。この「介護の手間」を時間に換算して評価し7段階に分類されます。
①要支援(要支援1〜2)
日常生活において、一部の動作が困難な場合や、生活に支障が出始めた場合に該当します。
②要介護1
軽度の身体的機能の障害や認知機能の低下がある場合に該当します。自身での生活は可能ですが、一部の支援を必要とします。
③要介護2
介護度が軽度から中程度の場合に該当します。身体的機能や認知機能によって、自身での生活に支障があり、一部については介助が必要となっています。
④要介護3
介護度が中程度から重度の場合に該当します。自身での生活に支障が大きく、介助を必要としている場面が多くあります。
⑤要介護4・5
介護度が重度から最重度の場合に該当します高度な介護を必要とし、食事、排泄、入浴などの基本的な行為も自力で行えなくなっている場合があります。
要介護認定を受けるには
申請に必要な書類
要介護認定を受けるには、市区町村にある地域包括支援センター、または役所の高齢者福祉窓口に下記の書類を揃えて申請します。尚、申請費用は要りません。
①申請書②介護保険の被保険証
③健康保険の健康保険の保険証(65歳以下の場合)
④マイナンバー通知書
申請の流れと判定
必要書類が揃ったら、介護者が住んでいる各市区町村の窓口にて申請します。その後、社会福祉士や介護支援専門員などの専門職員が自宅に訪問し、介護が必要かどうかを調査します。訪問調査が終わると市町村が主治医に「主治医意見書」の作成を依頼します。
要介護度が決まるまでに行われる判定には、一次判定と二次判定があります。
一次判定は主治医によって作成された意見書と訪問調査の内容をコンピュータに入力して判定します。その後二次判定(介護認定審査会)では、一次判定の結果や特記事項などをもとに保健・医療・福祉の専門家が会議を行い判定を決定します。
結果の通知
申請してからおよそ一ヵ月を目安に結果が通知されます。結果に納得ができない場合は、自治体の窓口に相談に行きましょう。
介護保険サービスの使い方
介護保険サービスを利用する際は、自宅・介護施設・要支援の方とでそれぞれ異なります。
自宅で受ける場合
まずは居宅介護支援事業者を探して、担当してくれるケアマネジャーを決めます。webで調べたり地域包括支援センターへ聞くと良いでしょう。次にケアプランを作成し介護保険サービスの利用を開始します。
介護施設で受ける場合
まずは利用したい介護施設を選びましょう。ミスマッチがないように事前に見学に行くことをおすすめします。次にケアプランを作成し介護保険サービスの利用を開始します。
要支援の方の場合
この場合は要介護のようにケアマネジャーを探すのではなく、地域包括支援センターに相談し、介護予防ケアプランを作成してもらいます。その後サービス事業者と契約し、介護予防サービスが利用できるようになります。
要介護認定の理解が大切
介護保険サービスを受けるには必ず要介護認定が必要です。また介護保険サービスは、本人だけでなく家族の負担軽減にもつながります。要介護度によって受けられるサービスが異なりますので、しっかりと理解しておきましょう。